1月25日(木)驚きだ!

「一口両舌(いっこうりょうぜつ)」とはこのことか!知事、自らが、業界団体から御用聞きをして、個別にその差配について示達したという。

それも議長以下、各党に予算説明する前(ただし、市町村総合交付金の50億増額は公明党を知事与党に繋ぎ止めおくためのものとの一部報道はあるが)にということである。

議会が決定して執行するという二元代表制を理解していないどころか、そんな生易しいレベルの問題ではない。

選挙の時にさんざん騒いでいた知事のブラックボックスによる予算措置、いや知事自らによる利益誘導そのものである。それを誤魔化し悪事がばれないように、都民から、そして都庁職員からもアイデアを募り、予算要望を聞きますとの仕掛けもしている。

もはや、ポピュリズムを超えて、税金を使った政治活動そのものである。

選挙資金を業界から貰う代わりに、「賢い支出」と称して自らの権限として税金を差配する。なんと狡賢い支出であることか。都知事の権限は絶大である。しかもチェック機関の都議会第一会派の事実上のオーナーは都知事その人である。

このような独裁的都政運営をみるときに、もはや1300万人の都民による直接選挙による知事の選出は危険ではないのかとさえ思ってしまう。すなわち、予算議会における第一会派の責任は従来に増して重いものがあるにもかかわらず、機能不全に陥っている状況にあるからだ。

冷静になって考えてみると、小池知事を誕生させてしまった都知事選挙は何だったんだろうという思いが走る。

権力欲にとりつかれた政治家が、自分自身の野望を果たすためには手段を選ばず、メディア出身の大衆操作の手法を最大限に発揮して猛進した。活字も電波も「救世主」現るかのように取扱い、まさに世間を凌駕するスターダムへ押し上げた。

「しがらみ」と「くされ縁」の区別をつけず、感情に訴えて古いものや自分の気に入らないものは悪いものとしてレッテルを貼り、不可解な横文字を使って糾弾した。

自民党内で知事候補になれないと知るや、今まで同僚・仲間として一緒に日本国の将来を考え行動してきた人たちを見事に裏切り、自民党は悪のかたまりだとの表現を繰り返して無党派層に向けて風を起こし、さらに自民党内の不満の吐け口を演出したのだった。

このバクチのような手法は、倍々ゲームのように支持を獲得、まさに小池劇場と呼ばれるような盛況を得た。

ところが、砂上の楼閣のように確固たる基礎のない勢力は「排除」の言葉でつまずき、仮面がはがされ素顔が写し出されてしまった。豊洲移転をはじめ人気取り・思いつき行政が惨憺たる結果を迎えようとしている。

自戒しなければならないことは、自分が「勝ち組」だと思った瞬間に、そこから先は「下り坂」になる。本人はそれに気が付かず、「排除いたします」なんて言い出して、逆に嫌われはじめた。

表面はいまだにボロを出さない女性リーダーという顔をしているが、その実、内面はボロ隠しと人気回復のために汲々としているのが実態である。

そうであるが故の業界団体へのヒアリングと直接の予算の示達であり、それが、これまでの政党復活予算よりもなんと醜悪なことであることに都民は早く気がつくべきである。まさに一口両舌だ。